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奈良地方裁判所 昭和53年(行ウ)3号 判決 1982年6月25日

奈良県北葛城郡当麻町新在家五〇九番地

原告

高谷茂樹

右訴訟代理人弁護士

坂口勝

吉田恒俊

大和高田市三和町二の一七

被告

葛城税務署長

奥野昭治

右指定代理人

小林敬

太田吉美

松本有

西谷仁西

石田俊雄

堀尾三郎

工藤敦久

主文

原告の請求はいずれも棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

一  請求の趣旨

(一)  被告が昭和五二年三月一二日付でなした原告の昭和四八年分所得税の総所得金額を金三四五万八九七五円と更正した処分のうち金一四五万円を超える部分ならびに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。

(二)  被告が右同日付でなした原告の昭和四九年分所得税の総所得金額を金二七五万二二四八円と更正した処分のうち金一二〇万円を超える部分ならびに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。

(三)  訴訟費用は、被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨

三  請求の原因

(一)  原告は靴下製造業を営むものであるが、昭和四八年分ないし同五〇年分の所得税の確定申告として、法定期限内に、左の各金額を各年分の総所得金額として申告した。

1  昭和四八年分 金一四五万円

2  同四九年分 金一二〇万円

3  同五〇年分 金一二〇万円

(二)  これに対し、被告は、昭和五二年三月一二日、それぞれ次のとおり、更正処分ならびに過少申告加算税の賦課決定処分を行い、その頃、原告に通知した。

1  昭和四八年分更正処分金額、金三四五万八九七五円

納付すべき税額、金四一万五六〇〇円

過少申告加算税額、金一万七四〇〇円

2  昭和四九年分更正処分金額、金二七五万二二四八円

納付すべき税額、金一七万七七〇〇円

過少申告加算税額、金八八〇〇円

3  昭和五〇年分更正処分金額、金二三九万五九一九円

納付すべき税額、金一〇万三八〇〇円

過少申告加算税額、金五一〇〇円

(三)  原告は、これに対し、昭和五二年四月二六日被告に異議の申立をしたが、同年六月三〇日被告は、これを棄却したので、原告は、同年七月二八日国税不服審判所長に審査請求をしたが、同所長は、昭和五三年五月一日付でこれを棄却し、その頃、その旨原告に通知した。

(四)  本件更正処分手続の違法性

原告に対する本件各更正処分は違法な目的の下に行われており、又、税務調査の実施方法も、手続的に違法であつて取り消されるべきである。

1  被告は、原告に対して何らの事情聴取も任意調査も実施しないで、本件各更正処分を行つた、

葛城税務署の署員が、昭和五一年一〇月頃、原告宅を調査のため訪れたことがあつた。しかし、その際、原告は不在であつた。その後、税務署員は、誰れも訪れず、原告に対する事情聴取も、調査も実施されなかつた。

2  被告は、違法な意図の下に、反面調査を実施し、本件更正処分を行つた。

税務調査を実施する必要があるのであれば、まず、納税者から事情を聴取し、資料の提出を求めるべきであるのに、それらは全く実施せず、被告は、直ちに原告の得意先等に対して反面調査を行つた。何故、被告がそのような調査方法をとつたかといえば、その意図は、明白である。昭和五一年七月の人事異動で山中邦彦総務課長と、石丸昌伸統括官が着任してから、「民商専担体制」がしかれ、民商の組織破壊を企図した税務調査が強行されるようになつたのである。従つて、原告に対する税務調査においても、原告自身の調査は行わず、直ちに、得意先等の反面調査を実施して、原告の営業防害を企図した。右反面調査は、民商会員納税者を困惑させ、同人の取引先に対する信用を失遂させた。葛城税務署は反面調査と称して取引先、外注先、取引銀行等ありとあらゆるところを調査し、納税者本人の預金だけでなく、家族さらには従業員の預金まで調べ上げるという不当行為を行つた。

3  葛城税務署は税務調査を実施するに際して、第七二国会において決議された「税務調査に当つては、事前に納税者に通知するとともに、調査理由を開示すること」という決議事項を無視して、何らの事前通知も行わず、又、調査理由も開示しないで調査を行つた。

4  被告の違法な更正処分に対して、原告は、直ちに異議申立をした。異議申立に対して榎本上席調査官が再調査のために原告宅を訪れた。

同調査官の再調査の際、原告は、各種資料を同調査官に提出し、検討を求めたのであるが、同調査官は、再調査をしないで帰つてしまつた。

そして、原告の正当な異議申立を不法に棄却した。

(五)  本件各更正処分の内容の違法性

1  被告は、勝手に原告の所得を推計して右各更正処分をなしたものであり、証拠に基かないものであつて、本件各更正処分は取り消されるべきである。

異議決定中の必要経費の額は、何ら具体的な証拠資料に基くものではなく、わずか、三人の同業者(これもA、B、Cと表示されているだけで、どこの誰れなのか、又、どの程度の経営規模の業者なのか全く不明である)の経費率に基いて、推計によつて算出された金額であり、全く不正確な金額である。

さらに、特別経費の金額についても、どこかの同業者で働いている三人の人々(これも、A、B、Cとだけ記載されていて、どこの誰なのか不明である)の平均給料に基いて推計された金額であり、不正確な金額である。

そのような推計によつて、原告の所得金額を算出しているのであり、これは、確実な証拠資料に基く所得金額ではなく、架空の所得金額である。

2  確実な証拠資料に基いて、原告の昭和四八年分、同四九年分の所得金額を計算すれば、次のとおりの所得が認定される。

(1) 昭和四八年分の所得計算

<1> 取引先ならびに売上金額

同年分の取引先と売上金額が、被告の別表2(売上明細表)記載のとおりであることは認める。但、その他の欄記載の金五万〇三四〇円については不明である。

<2> 仕入金額

次に原告が仕入ていた原糸、シール、ゴム等の原材料の仕入金額については、明らかに誤つている。これについては、原告は、確実な証拠を有しており、その証拠を本件訴訟に提出した。

原告は、昭和四八年、四九年当初も、仕入額について、正確に帳簿、書類を記載していた。それらを記載した帳簿、書類は、甲第一〇号証の手形受払帳と、同第一三号証の外注経費帳である。これらの帳簿によつて、昭和四八年分、同四九年分の仕入金額、一般経費等を正確に算出することが出来る。

これらの各証拠書類を集計すると、昭和四八年分の仕入先と仕入金額は、甲第一一号証記載のとおりになる。

<3> 外注、ならびに内職先への支払金額

これらについても、原告は、正確な証拠書類に基いて正確な金額を算出することが出来る。その書類は、甲第一三号証の外注、経費帳であり、昭和四八年分の各外注先、内職先と、各支払金額を集計すると、甲第一四号証記載のとおりになる。

<4> 一般経費は、甲第一三号証の経費帳記載のとおりである。

<5> 昭和四八年分の所得金額

原告は、本件訴訟提起後、再度、証拠、帳簿に基いて、原告の売上先と売上金額、仕入先と仕入金額、外注先、内職先と支払金額、一般経費金額等を総ざらいし、正確に計算しなおした(甲第一六号証)。昭和四八年分については、原告には利益はなく、金二二五万七九二三円の損出が生じているのである。これは、オイルシヨツクで仕入材料が値上りしたことと、材料がなくなるという状況の下で、原告が、仕入材料を買いすぎたこと等がその原因である(仕入金額は、金一八八五万三九八九円である)。

(2) 昭和四九年分の所得計算

<1> 取引先ならびに売上金額

被告の別表2(売上明細表)記載のとおりであることは認める。

<2> 仕入金額

昭和四九年分の仕入先と仕入金額は、甲第一〇号証の二の手形受払帳ならびに甲第一三号証の二の外注経費帳記載のとおりであり、それを集計したものが、甲第一二号証である。

<3> 外注ならびに内職先と各支払金額

甲第一三号証の二、外注、経費帳記載のとおりであり、それを集計したものが、甲第一五号証である。

<4> 一般経費は、甲第一三号証の二記載のとおりである。

<5> 昭和四八年分の所得金額

確実な証拠書類に基いて、原告の同年分の所得を計算すると、同年分の原告の所得は、金一六四万九二五〇円である。右金額は、原告の申告金額金一二〇万円は超えているが、本件更正処分金額金二七五万二二四八円よりは低い金額である、

よつて、昭和四九年分の所得についても、正確に証拠書類に基いて、原告の所得を算定するならば、本件更正処分は取り消されなければならない。

(六)  以上のように、被告の本件各更正処分中原告主張の金額を超える部分は、原告の所得を過大に認定した違法がある。

(七)  よつて、原告は、請求の趣旨記載のとおりの判決を求めて本訴におよぶ。

四  請求の原因に対する認否

(一)  請求原因(一)ないし(三)は、認める。

(二)  同(四)、(五)は争う。

(三)  課税の経緯について

1  原告は肩書地において、高谷靴下工業所の屋号で靴下製造業を営む個人で、青色申告の承認を受けていないいわゆる白色申告者である。

2  被告は、原告の昭和四八年分ないし同五〇年分の所得税調査のため、昭和五一年一一月に部下職員榎本及び同堀江を各一回、原告方に臨場させた。しかし右職員らは、そのいずれにおいても原告と面接できなかつたので、原告の妻を通じて原告に対し、右各年分の所得金額の算定の基礎となるべき帳簿書類等の提示を求めたが、その後何の連絡もないうえ原告は、何らかの帳簿書類等も提示しなかつた。また、右榎本は、昭和五二年一月及び二月に各一回、原告に事業内容の聴取等のため電話で来署を依頼したが、原告はこれにも応じなかつた。更に、原告の妻も、昭和五一年一一月の右職員ら臨場時の工場視察の各要求をいずれも拒否するとともに、機械台数等原告の事業に関する各質問にもまともに答えなかつた。

3  右のとおり、原告及びその妻は、原告の所得税調査に全く協力しなかつたので、被告は、やむを得ず、原告の取引先の反面調査を実施したうえ、その結果等に基づいて右各年分の所得金額を算定し、これにより本件各更正処分等をしたものである。

4  原告は、被告が、第七二国会の決議事項を無視した旨主張するが、右国会の決議事項に述べられている内容は、税務行政において尊重しなければならない事柄ではあつても、右国会決議は、いわゆる税務行政についてのあるべき姿、すなわちその目標、方針を定めているにすぎず、法規範としての性格を有しないものである。

殊に、本件は、納税者との間の協力信頼関係が存しない場合であるので、右国会の決議事項はそのまま妥当するものではない。

5  更に原告は、事前通知のない税務調査は、違法である旨主張するが、税務職員が、調査するにあたつて、その調査対象者に事前に調査日時を通知している事例が存するとしても、それは、調査が効果的に実施しうるようにという意味で事実上なされている措置にしかすぎないのであつて、事前通知をするか否かは、課税庁の判断事項に属するものであり、事前に通知することが調査を実施する上の法律上の要件とされているものではなく、違法視される筋合はない。のみならず真実を確保するためには、場合によつて事前通知が障害とさえなりうることは事柄の性質上明らかである。

6  原告は、一方的な反面調査を行うことは違法である旨主張するが、所得税法二三四条一項二号に規定する取引先調査、いわゆる反面調査は課税要件事実の真実性、正確性を担保する機能を有するものであつて適正課税実現のための不可欠の手続である。

しかも、取引先調査は、調査に納税者の協力が得られない場合はもちろん、そうでない場合においても、調査に従事する税務職員がその合理的判断において、事実の確認の必要があると認めた場合には、納税者の承諾の有無にかかわらず行い得ることは、法文の規定からも明らかであり、反面調査するに際し、事前に納税者の了解を得る必要はないものである。

7  原告は、本件更正処分は葛城民主商工会員たる原告を不当に弾圧し、また民主商工会の組織破壊を目的としてなされたもので、その調査方法、手段も全く納税者の人権を無視し、職権を濫用したものであるから、処分の目的並びに課税手段の両面にわたつて違法である旨主張している。

しかしながら、被告が、原告の係争各年分の所得税についてなした本件更正処分には、原告主張のような違法不当な行為はいずれも存しない。

なお、原告が主張する被告の部下職員のうち、訴外藤本公が、もと葛城税務署に上席調査官として勤務していたこと、昭和五一年七月の人事異動によつて葛城税務署の総務課長に訴外山中邦彦が、また、同署の所得税資産税第二部門の統括国税調査官に訴外石丸昌伸がそれぞれ着任して来たこと、昭和五一、五二年当時に訴外榎本稔上席調査官らが、葛城税務署に勤務していたことは、いずれも認めるがその余の原告主張の各事実はすべて知らない。

(四)  原告の所得金額について

被告が、本訴において主張する原告の各係争年分に係る総所得金額並びにその算出過程は、別紙のとおりであり、その範囲内でなされた本件各更正処分等は何ら違法ではない。

1  原告の係争各年分の売上(収入)金額及び必要経費は、次のとおりである。

(1) 売上(収入)金額

昭和四八年分三〇八七万三七八八円、昭和四九年分二四一八万〇八〇一円、昭和五〇年分二一九四万一七三六円であり、その売上先別明細は別表2「売上明細表」に記載したとおりである。

なお、原告は、前記所得税調査においては、取引先及び取引額を何ら具体的に明示せずにおきながら、本件審査請請求に至り、本件係争各年分の売上(収入)金額は、被告が調査は握し、本件異議決定処分の中で示した神栄株式会社(以下株式会社は(株)と称す)、山賀政美、原田メリヤス(株)、新生販メリヤス(株)、桐生商店、安藤栄の各取引先別の売上(収入)金額のみを援用し、自己の売上(収入)金額であると主張していた。

しかしながら、その後被告が、更に調査したところ、原告の取引先は、原告が右審査請求で主張した右神栄(株)ほか五件だけでなく、その他に訴外中川正男らもあるうえ、右各取引先との代金決済の中には、原告の架空名義預金と認められる福本鉄男名義の預金口座で取り立て入金している事実が判明した。

してみると、原告は、被告が異議決定処分までの調査で原告のすべての売上(収入)金額をは握していないことを奇貨として、未判明の取引先及びその売上高をすべて除外して、本件審査請求において、自己の売上(収入)金額としていたもので、その態度は不誠実というほかはない。

(2) 売上原価

売上原価は、いずれも売上(収入)金額に類似同業者の平均原価率を乗じて算定した金額である(別表3)。

(3) 一般経費

前記(1)の各売上(収入)金額に一般経費率を乗じて、一般経費をそれぞれ算定した(別表4)。

(4) 特別経費

イ 外注費

外注費は、前記(1)の各売上(収入)金額に外注費率を乗じて算定した(別表5)。

ロ 建物減価償却費

原告が審査請求時に主張した額である。

ハ 雇人費

原告の審査請求時の主張額である。

ニ 支払利子・割引料

原告が、南都銀行高田本町支店、当麻農協、国民金融公庫奈良支店に支払つた利息と割引料の合計金額である。

(5) 原価率、一般経費率及び外注費率について

原告の係争各年分の事業所得金額を算定するにあたつて適用した原価率、一般経費率及び外注費率は同業者の中から一定の基準によつて選定した各比率を単純平均したものである(別表7)。

2  靴下製造業の業態及び同業者率の算定について次のとおり詳述する。

(1) 靴下製造業の業態について

靴下製造業とは、靴下製造工程のうち、主として編立作業をする者である。原糸の購入から製品の出荷までの靴下製造工程には、編立て工程のほか、原糸の染色並びに編立て以後、製品の出荷に至る工程にいわゆる抜き、かがり、すくい、きずみ、刺しゆう、仕上げ及び加工等の補助作業が介在する。なお、靴下の種類には、紳士物、婦人物、子供物、タイツ、ストツキング類、スポーツ物等がある。

(2) 原告の業態等について

イ 原告は、専ら靴下の編立工程の作業を行い、その余の工程は外注により処理している。

ロ 原告の製品は、主として婦人靴下(全体の九割がたが婦人靴下で占めている。)である。

ハ 原告の売上(収入)金額は、審査請求時の申立てでは、昭和四八年分三〇七一万余円、同四九年分二三二八万余円、同五〇年分一八八五万余円ということであつた。

(3) 同業者率の算定について

イ 被告は、同業者率の算定に当たり、まず同業者抽出の条件を設定し、その条件に該当するすべての同業者を機械的に抽出し、そして右すべての同業者の売上(収入)金額、売上原価、一般経費及び外注費の昭和四八年分ないし同五〇年分の計数を用いて、同業者ごとに各年分の原価率、一般経費率及び外注費率を算出し、更に各年分ごとに右各率を単純平均して、原告に適用すべき前記各年分の右各率(各同業者率)を算定した。

ロ 同業者の抽出の条件

昭和四八年ないし同五〇年を通じて、次の各条件のいずれにも該当するもの

A 葛城税務署管内に事業所を有する者

B 年間を通じて事業を継続している者(ただし、靴下製造業以外の種目を兼業している者を除く。)

C 青色申告書により所得税の確定申告を行つている者

D 売上(収入)金額が九〇〇万円から四五〇〇万円までの者(この金額の範囲は、前記原告の申立額を基準とし、その額の端数を除いたうえ、その上限及び下限の五〇パーセントとした。)

E 婦人靴下の製造割合が九〇パーセント以上の者

F 靴下製造工程のうち、いわゆる「ぬき」から「仕上げ」までを主として外注している者

G 課税処分につき、不服申立て又は訴訟係属中でない者

ハ 右ロの各条件にいずれも該当する者は、別表6に掲げる同業者番号1ないし3の三名である。

ニ 同別表の各項目ごとの計数は、右各同業者の当該各年分の所得税青色申告決算書(ただし、税務署長が調査を行つた者については、その調査額)に依拠している。

ホ 右同業者三名の各年分ごとの売上(収入)金額、売上原価、一般経費、売上原価率、外注費、一般経費率、外注費率及び平均同業者率は前記別表7のとおりである。

(4) 必要経費推計の合理性について

イ 被告が同業者率算定の基礎とした右三名の同業者は、いずれも前記各条件に基づいて無作為かつ機械的に抽出されたものであり、その結果右抽出に当たり、課税当局の恣意が介入する余地は全くなく、そして抽出された各同業者は、いずれも原告の事業実態と前記(3)のロのA、BおよびCないしGの各条件の下に類似しており、前記各同業者率にはそれらの類似条件はすべて反映されている。

ロ また、右同業者の各計数は、所轄葛城税務署が保管している同人らの該当各年分の所得税青色申告決算書に依拠しており、右決算書の各計数は正確であり、信頼できる。

ハ したがつて、それらの各計数を用いて算定した各同業者率及び原告の売上(収入)金額に基づき本件係争各年分の売上原価、一般経費及び外注費を推計する方法並びにその算出金額はいずれも合理的であるといえる。

3  原告の事業所得金額について

原告は、本人尋問段階において、ようやく帳簿の一部を提出するとともに、係争各年分の事業所得金額について、

原告の主張を明らかにしたが、右主張金額は、以下に述べるとおり、到底信用できないものである。

(1) 原告主張金額の不当性

イ 原告は、売上金額については、基礎となる帳簿書類を原処分調査時から本訴に至るまで一切提出しないばかりか、常に被告が主張する金額を援用し、自己の売上金額であると主張してきた。

特に、審査請求に際して、原告が主張した売上金額は被告が、本件異議決定処分の中で示した各取引先別の売上金額を援用したものであるが、その後、被告が調査したところ、原告は取引銀行に架空名義の預金口座を設け売上金額の取立をしており、右預金口座から新たな売上取引先が判明したことから、これに基づき、被告が原告の主張する売上金額を上回る主張をするや、それを認めたばかりか、当初本件係争年分であつた昭和五〇年分にいたつては取下げをするにまで至つた。

これら原告の態度は、不誠実というほかないし、他の多くの誠実な納税者との関係でも、到底許されるべきでない(原告は、その本人尋問において、架空の預金口座は、妻が勝手に作つたものであり、知らなかつた旨供述するが、自己が代表して経営し、取引先の手形がその口座で取り立てされながら、その口座の存在を知らないなどということがあり得るはずがない。)が、このような不誠実な原告の主張及びその基礎と称する書類は、個々の書類等の検討以前の問題として、極めて信用性に乏しいことは明らかである。

ロ 更に原告主張金額を具体的に検討するに、原告主張の事業所得金額は、別表8のとおり、確定申告時、審査請求時及び本訴時と、それぞれ大きくくい違つてきている。

原告作成の帳簿等が、係争年度当時、正確に記載されたものであるならば(そうでない帳簿は、論外である。)右のような差異は生じるはずがない(原告本人は、訴訟提起後計算し直したと供述するが、同じ帳簿に基づきながら、計算をし直すと、なぜ別表8のごとき単純な計算誤りとはいえないような差異が生じ、昭和五〇年分については取り下げに至るのか、到底理解できない)。

とりわけ、昭和四八年分についていえば、原告は、その確定申告時、事業所得金額を一四五万円の黒字と申告しながら、審査請求時及び本訴において、それぞれ、一九六万〇、九四五円、二二五万七、九二三円の各赤字と主張している。このことは、自己の所得金額について、誰れよりよく知つている原告が、自由な申告に際し、自己の事業所得金額が、赤字でありながらあえて黒字として(しかも、その差額は、三七〇万円余りにも及ぶ。)税金を多く納めようとしたことを意味するものであつて、一般の経験則に照らし、到底考えられないことである。

もつとも、原告は、取引先に対する信用維持上、税務調査を避けるため、赤字でもあえて黒字申告をしたかのごときを供述をする。しかし、総額二二〇万円余りもの赤字を出している営業者がこのような動機からあえて税を納めようとするとは到底考えられない上、正確な帳簿を備え、それを被告職員に対して示しさえすれば、取引先への反面調査等に至らないことは容易に理解できることであるところ、本件税務調査段階で、原告は、被告に全く協力しておらず、このこと自体、右供述と矛盾する。更に、係争年度の原告の確定申告では、赤字であるはずの昭和四八年分の事業所得金額が最も大きく、その分だけが現実にも税が課せられるようになつているのであるが、信用維持あるいは税務調査を避けるといつた動機で、已むを得ず黒字申告したというなら、このような申告金額になるはずがない(黒字で申告するにしても、昭和四八年分が最も低い金額になるのが当然であろう。)

結局、原告の右供述は虚偽と断じて差しつかえないものである。

以上の点からみても、既に、本訴における原告の主張金額は、非常識で措信できず、その基礎と称する書証も全く信憑性のないものというべきである。

ハ また、原告が、審査請求時に提出した乙第一九号証、同第二三号証及び同第二七号証の損益計算書、並びに、本人尋問の際に提出した甲第一六号証、同第一八号証の損益計算書には、いずれも期首及び期末たな卸高の記載がない上に、原告の係争各年度の期首及び期末たな卸高が同額であると見た場合の係争各年分の売上原価率(売上原価の対売上金額比率)は、次表のとおりで、大きな差異が認められる。

<省略>

なお、昭和五〇年分は、原告が取下げたため、原告が審査請求時に提出した損益計算書(乙第二七号証)について、売上金額を被告主張額に修正し売上原価率を計算した。

所得金額上の計算上、各年分の売上に対する売上原価は、その年分の仕入金額並びに、期首及び期末たな卸高が、明確には握されて初めて正確に計算できるものであり、また、売上金額は、通常、事業形態において特段の変化がない限り、売上原価の推移に対応して推移するものであるところ、右の表の示すとおり、原告の主張する売上原価率に大きな差異が認められるということは、売上金額に対応する売上原価(期首棚卸高+仕入金額-期末棚卸高)が正確に計算されていないためである。

仮に、原告の主張する売上原価(仕入金額)が売上金額に対応する売上原価とすれば、それに対応する売上金額が正確に計算されていないといわざるを得ない。

もつとも、原告は、昭和四八年分は、いわゆる石油シヨツク前で、原材料の値上りを見込んで大量の原材料を仕入れた旨供述するが、原告の売上原価率(六一・〇八%)は、被告の主張する類似同業者の売上原価率(三五・〇一%)に比しても非常識な差異と認められるし、原告の供述どおりなら、原材料の買いだめの数量が、平年より多く昭和四九年分に繰り越され、そのたな卸高に見込まれるべきものである上、そのような特殊事情があるならより一層期首及び期末たな卸高を明確にすべきである。したがつて、原告が、正確な帳簿書類により売上金額、売上原価を計算したとは到底認められない。

以上述べたとおり原告の売上原価が正確に計算することができないため、被告主張の類似同業者の売上原価率を売上金額に適用し売上原価を推計することが最も合理的な推計計算といわざるを得ない。

(2) 原告提出の帳簿について

イ 原告提出の甲第一三号証の一の帳簿(以下「本件帳簿」という。)を検討するに、そもそも、帳簿等の記録は、正当な証拠書類に基づき行われ、かつ、明瞭なものであることを要するところ、本件の場合、帳簿の基礎となる請求書、領収書等の原始記録は一切提出されておらず、その真実性を検証することは不可能である。

そればかりか、本件の帳簿は、記載自体からして右用件を欠いている。

ロ すなわち、本件帳簿は、日付の順序がくるつていたり後日、付加したような記載の多い、極めて不自然なものである。

例えば、岩田と称する雇人に対する給料支払の記載は常に毎月の帳簿の最後尾又は最後尾から二行目に、付け足されたようになされておる上、本来一定であるはずの給料日が不自然なまで一致せず(毎月二五日払いであるなら、給料日は、二五日ないしそれが休日の場合に起こりうる二五日前後の日付に、限定されるが当然である。)また、雇人のいないはずの休日に何度も給料の支払いがなされている(ちなみに、本件帳簿では、昭和四八年三月二五日、同四月二九日、同九月三〇日、昭和四九年一月二〇日、同四月二八日の日曜日ないし休日に給料が支払われていることになつている。)。なお、被告は、従前の主張において、原告の給料支払を認めたが、右のような記載によれば、その存在は疑問である。ただ、本件更正処分の適法性に影響しないので、右は帳簿の信用性に関連して述べるにとどめる。

ハ 更に、内職(外注費)金額の支払状況も極めて不自然なものがある。すなわち、内職への支払の記載は、帳簿の後尾あるいは各月とは別のページに、日付の連続性もなく付け加えられたように記入されたものであるし、その支払先である者の氏名が完全でなく、住所にいたつては全く不明である。

中でも、昭和四九年分においては各月別の合計金額が記載されているのみで、誰に、いくら、払つたということも不明であり、その上、一〇月分、一一月分、一二月分にいたつては、内職の件数及び金額が記載されているに過ぎない。

また、昭和四八年一二月分については、金額が二度記載されて、それが合計されているが、原告にもその説明ができない。

もちろん、現段階においても内職の金額を計算する基礎となる書類は、一切提出されていない。

ニ 以上述べたところから明らかのように本件帳簿は全く検証性を欠くものであり、その信びよう性は全くない。

ホ 次に甲第一七号証、同第一九号証の減価償却の計算と題する書面は、要するに、結論らしきものを記載したものにすぎず、その記入状況、金額等からみても信用性は全くない。(なお、被告の推計課税においては、建物の減価償却費以外の減価償却費は、一般経費として算入されている)

(3) 以上述べたとおり、原告主張の事業所得金額及びその書証は、全く信用できないものであり、被告主張金額の方がはるかに合理的なものがある。

4  本件係争各年分の原告の事業所得金額は、前掲のとおりであり、その範囲内でなされた本件各更正処分は適法であるが、なお、原告の主張にあわせ本人比率によつて算出した事業所得金額を予備的に付加、主張する。

(1) すなわち、昭和四八年から昭和五〇年にかけての原告の事業の実体にはさしたる変動がなく、売上原価、一般経費外注費は、おおむね売上原価に応じて増減するものと認められるから争いのない昭和五〇年分損益計算書(原告本人尋問で取下した年分)の売上原価、一般経費及び外注費の各構成比率(本人比率という。)により係争年分の原告の事業所得金額を推計すると、次のとおりとなり、その範囲内でなされた本件各更正処分は適法である。

イ 事業所得金額

<省略>

ロ 事業所得金額の算出過程

右の事業所得金額は、昭和五〇年分にかかる損益計算書(乙第一九号証)の売上(収入)金額を被告主張額に修正(これは原告本人も認めるところである。)した上、売上原価、一般経費及び外注費についての原告の主張を認め、これに基づき算出したところの売上原価、一般経費、及び外注費の構成比率を係争各年分に適用し算定したものである。(別表9参照)

五  原告の反論

原告は、営業状態について、手形受払帳(甲第一〇号証)、外注、経費帳(甲第一三号証)等の各帳簿類を備え、これらの各帳簿に仕入金額、一般経費の支払金額等を正確に記帳していた。原告は、今回、これらの証拠書類に基づいて、再度、正確に所得計算をしなおして点検した。その結果は次のとおりである。

原告の所得計算は確実な証拠資料に基づいて正確に算定されなければならないのであつて、被告が行つたように架空の推計によつて誤つた更正処分がなされてはならないのである。原告主張の金額には、一部計算違いがあつたので、次のように訂正する。

(一)  昭和四八年分の所得金額

売上金額は、金三〇八二万三四四八円であり、その明細は別表10の中の「昭和四八年分の取引先と売上金額」に記載したとおりである。

次に仕入金額は、金一八八五万三九八九円であり、その明細は、別表の中の「昭和四八年分の仕入金額の明細」ならびに「仕入明細」に記載したとおりである。

同年分の一般経費は、金一四四五万五四〇〇円であり、その明細は同別表の中の「昭和四八年分の一般経費の明細」ならびに「公租公課明細」、「荷造運賃費明細」、「水道光熱費明細」、「通信費明細」、「交際費明細」、「修理費明細」、「消耗品費明細」、「福利厚生費明細」、「会費明細」、「交通費明細」、「事務品費明細」、「外注品費明細」、「人件費明細」、「四八年分減価償却の明細」、「利子割引料明細」等に記載したとおりである。

これらの各経費は、甲第一三号証の外注、経費帳に基づいて算出されたものであり、正確な金額である。

従つて、原告の昭和四八年分の所得は、右売上金額から仕入金額と一般経費を差し引くと金二四八万五九六一円の損失が生じているのである。これは、オイルシヨツクで仕入材料が値上りしたことと、材料がなくなるという不安状況の下で材料を買い入れすぎたことが原因である。

確実な証拠書類に基づいて、原告の所得を算定すると右のとおりである。被告の更正処分は誤つている。

(二)  昭和四九年分の所得金額

同年分の売上金額は、金二四一八万四八六一円であり、その明細は別表11の中の「昭和四九年分の取引先と売上金額」に記載したとおりである。

次に、同年分の仕入金額は、金一〇九九万五一四八円であり、その明細は、同別表の中の「昭和四九年分の仕入金額の明細」と「昭和四九年分仕入明細」に記載したとおりである。

同年分の一般経費は、金一一五四万八五九五円であり、その明細は、同別表の中の「昭和四九年分一般経費の明細」ならびに「昭和四九年分公租公課明細」、「荷造運賃費明細」、「水道光熱費明細」、「昭和四九年通信費明細」、「昭和四九年交通費明細」、「昭和四九年分交際費明細」、「昭和四九年分福利厚生費明細」、「昭和四九年分消耗品費明細」、「修繕費明細」、「昭和四九年会費明細」、「昭和四九年分雑費明細」、「人件費明細」、「外注費明細」、「昭和四九年分減価償却費の明細」、「利息割引料明細」、「昭和四九年雑損失明細」等に記載したとおりである。

これらの各金額は、外注、経費帳と照合しても一致しており正確な金額である。

従つて、原告の昭和四九年分の所得は、右売上金額から仕入金額と一般経費を差し引くと金一六四万一一一八円となりこれが同年分の原告の所得金額である。

同年は、前年に材料を大量に仕入れていた関係もあり、前年より仕入金額も安くてすみ、金一六四万一一一八円の利益を上げることが出来たのである。

昭和四八年分、同四九年分の原告の所得は、以上のとおりであり、被告の本件各更正処分は誤つており取消されなければならない。

六  証拠

本件記録中の書証目録および証人等目録記載のとおり。

理由

一  原告は、本件更正処分手続に違法があると主張するが、税務調査に際し、納税者に事前通知をしなかつたとしても、所論国会議決事項は、法規範としての性質を有しないから直ちに違法となるわけではなく、本件各更正処分が、民主商工会弾圧の手段であつたとの点については、証明が十分ではなく、その他の主張理由は、本件各更正処分の取消事由となし難いから、いずれも採用できない。

二  そこで本件各更正処分の内容について検討する。

(一)  原告本人尋問の結果によれば、原告は肩書住所において靴下編立機一二ないし一三台を使用し、原告夫婦の外使用人一名、外注下請一五ないし一七名、内職八ないし一〇名により靴下製造業を営む白色申告者であることが認められたところ、成立に争いのない甲第一ないし九号証、乙第三二号証、証人西村敏昭、同山中忠男の各証言によれば、原告は、株式会社南都銀行高田本和支店に福本鉄男名義の架空名義普通預金口座を開設し、これを使用して収支の実態の把握を免れ、また本件更正処分手続並びに審査請求手続を通じて所得の実額を認定するに足る帳簿書類の提示をしなかつたため、原処分庁並びに審査庁は、推計計算による外なかつた事実が認められ、証人岩田良孝の証言および原告本人尋問の結果中右認定に反する部分は、前掲他の証拠と比較してたやすく措信し難く、他にこれを動かすような証拠は存しない。

(二)  昭和四八年分所得について

1  被告主張の売上(収入)金額中、別表2記載訴外新生販メリヤス(株)および丸一産業(株)に対する売上げは、いずれも原告本人尋問において原告本人の認めるところであるから、「その他五万〇三四〇」を除き、争いないことに帰するところ、証人山中忠男の証言とこれにより成立を認めうる乙第一二号証によれば、昭和四八年七月一七日株式会社南都銀行高田本町支店の原告名義当座預金口座に五万〇三四〇円が入金された事実は認められるものの、これが収入金であるのか、振替入金なのかの区別をなしうる資料がないので、収入金と認めないのが相当である。したがつて、昭和四八年分の売上額は三〇八一万九三八八円と認められる。

2  所得金額の計算には、各年分の売上げに対応する売上原価は、その年分の仕入金額並びに期首期末のたな卸高の確認を要するのであるが、その主張立証は何ら存しないのみならず、原告が本訴において主張する売上原価を始め、争いのない科目を除く一般並びに特別の経費については、原告の提出した各種資料(甲第一〇号証の一、二、第一二号証、第一三号証の一、二、第一四ないし一六号証、第一八号証)は、原始記録の提出を全然伴わない単一のものであるだけでなく、成立に争いのない乙第三二号証によれば原告は本件審査請求手続において仕入金額必要経費を証明する証拠資料として受取確認書と題する僅かの資料を提出したにすぎないことが認められ、本訴において提出された前記資料が何故審査請求段階までに提出されなかつたかの理由が不明であるうえ、前記のとおり内容の正当性を裏付けるものが全く存在しないし、更に資料相互間の記載内容も必ずしも一致して居らず、日付の記入のないものも多く、帳簿の記載は不明確かつ不自然であるためいずれも信用性に乏しくこれによつて実額を把握することはできないものといわざるを得ないから、結局推計計算を相当とするところ、被告は、管内同業者三名の所得税青色申告決算書に依拠して、同業者率を算出し、これに基づいて本件係争各年分の売上原価、一般経費および外注費を推計する方法が合理的であると主張する。しかしながら被告の主張によればその抽出した同業者の年間売上金額には九〇四万円余から三四〇五万円余までの開きがあり、原価率をとりあげてみても、二八パーセントから四八パーセントまでの大差があつて、一般的に適用すべき基準が見出し難い憾みを否定できないから、納税者の営業形態の継続に格別の変化が窺えない場合には、他の年分における実態を把握して、これによる本人比率を適用する方が優つているといわなければならない。そこでこれを本件についてみると、原告本人尋問の結果によれば、昭和四八年ないし同五〇年を通じて、原告の事業内容には格別の変化がなかつたこと並びに同五〇年の更正処分の金額については、これを争わないことが窺われるので、雇人費、支払利子割引料を除くその余の経費率については、成立に争いのない甲第九号証により八一・二七パーセントを適用すべきものとして右経費を算出すると、二五〇四万六九一六円となるので、これに当事者間に争いのない雇人費および支払利子割引料一一三万二〇七七円を加えて、前記売上金額から除すると、原告の昭和四八年分所得額は、四六四万〇九五円と認めるのが相当である。

(三)  昭和四九年分所得について

同年分の売上金額については争いがないのでこれに前記経費率八一・二七パーセントを適用して得た当事者間に争いのない雇人費額および証人西村敏昭の証言とこれにより成立を認めうる乙第一六ないし一八号証により認められる支払利子割引料四八万六二三〇円を加え、前記売上金額から控除すると、原告の昭和四九年分所得額は、三三三万三五九五円と認めるのが相当である。

三  以上によれば、前記認定にかかる各所得金額の範囲内でなした被告の本件各更正処分は、違法ではないから、その取引しを求める原告の本訴請求は、すべて失当として棄却すべきものとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山田賢 裁判長裁判官仲江利政、裁判官三代川俊一郎は転任のため署名押印できない。裁判官 山田賢)

別表1 事業所得金額の計算

<省略>

別表2 売上(収入)明細表

<省略>

(注) *印分は、審査請求時の原告申立である。

別表3 売上原価の計算

<省略>

別表4 一般経費の計算

<省略>

別表5 外注費の計算

<省略>

別表6 支払利子・割引料

<省略>

別表7 同業者率の計算

<省略>

別表8 各審級における原告主張額の異動

<省略>

別表9

1 昭和50年分本人比率による係争年分の売上原価等の計算

(1) 売上原価の計算

<省略>

(2) 一般経費の計算

<省略>

(3) 外注費の計算

<省略>

2 1の売上原価等による係争各年分の事業所得金額

<省略>

別表10 昭和四八年の所得計算

売上(収入)金額 金三〇、八二三、四四八円

仕入金額 金一八、八五三、九八九円

一般経費 金一四、四五五、四〇〇円

所得金額(売上より仕入金額及び一般経費を差し引いたもの)

金赤字二、四八五、九六一円

昭和四八年分の取引先と売上金額

<省略>

昭和四八年分の仕入金額の明細

<省略>

昭和四八年分仕入明細

<省略>

<省略>

昭和四八分の一般経費の明細

<省略>

公租公課費明細

<省略>

荷造運賃費明細

<省略>

水道光熱費明細

<省略>

通信費明細

<省略>

接待交際費明細

<省略>

<省略>

修理費明細

<省略>

消耗品費明細

<省略>

福利厚生費明細

<省略>

会費明細

<省略>

交通費明細

<省略>

事務用品費明細

<省略>

外注費明細

<省略>

<省略>

人件費明細

<省略>

<省略>

減価償却の明細

<省略>

利子割引料明細

<省略>

別表11 昭和四九年分 所得計算

売上(収入)金額 金二四、一八四、八六一円

仕入金額 金一〇、九九五、一四八円

一般経費 金一一、五四八、五九五円

所得金額(売上金額より仕入金額、一般経費を差し引いたもの)

金 一、六四一、一一八円

昭和四九年分 取引先と売上金額の明細

<省略>

昭和四九年分 仕入金額の明細

<省略>

昭和四九年分 仕入明細

<省略>

<省略>

昭和四九年分 一般経費の明細

<省略>

<省略>

昭和四九年分 公租公課明細

<省略>

昭和四九年分 荷造運賃費明細

<省略>

昭和四九年分 水道光熱費明細

<省略>

<省略>

昭和四九年分 通信費明細

<省略>

昭和四九年分 交通費明細

<省略>

昭和四九年分 接待交際費明細

<省略>

<省略>

昭和四九年分 火災保険料明細

<省略>

昭和四九年分 修繕費明細

<省略>

昭和四九年分 消耗品費明細

<省略>

昭和四九年分 会費明細

<省略>

<省略>

昭和四九年分 福利厚生費明細

<省略>

昭和四九年分 雑費明細

<省略>

<省略>

昭和四九年分 人件費明細

<省略>

昭和四九年分 外註費明細

<省略>

<省略>

<省略>

昭和四九年分 減価償却費明細

<省略>

昭和四九年分 利息割引料明細

<省略>

昭和四九年分 雑損失明細

<省略>

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